■日本映画の《呪縛》破壊――ネットでブッキング（配給）を！

• フィルム・シティでは、このたび製作した映画『NAGISA/なぎさ』の公開にあたり、全国での上映を目指しておりますが、配給業務を開始したばかりで自前の配給―興行網があるわけではありません。また潤沢な宣伝費用が使えないため、劇場公開が思うにまかせません。この作品に限らずせっかく面白い映画を製作したにもかかわらず、一部地域の劇場・非劇場（ホール、公会堂、学校など）でしか上映できないという、邦画公開特有の情けなくも複雑な状況が厳然として横たわっています。そこで、この現状をなんとか打ち破りたいとの思いから、インターネットの特性をフルに活かして独自に、既存の形式に囚われない映画のブッキング（配給）をスタートさせるに至りました。

• 幸いにもネット上での孤軍奮闘ぶり（？）が実ったのか、日本のど真ん中の飛騨地方にある劇場「高山旭座」様を皮切に、関心を持たれたマスコミ・興行関係者や映画ファンの方たちからも、作品や上映に関する問合わせの声がぽつぽつ届くようになりました。まさにインターネットの威力たるや恐るべし、と言ったところでしょうか。
  そんな中でもとりわけ、地方の映画館主様や映画ファンの皆様の、「観たい映画が地元では公開されないので、テレビ放映やビデオ化されるまで観ることができない」という貴重なご意見は大変参考になりました。私共の“ネット・ブッキング”の試みは、そうしたフラストレーションを少しでも解消する一助になれば…と考えております。

• 映画館は、それぞれの地域のカルチャー情報発信基地です。その地区や街の性格にマッチしてこそ、パワーが遺憾なく発揮できるものです。インターネットは、携帯電話による口コミと並んで、映画宣伝面においても軽視できないツールとなってきてはいるものの、現実面では残念ながら個々の地域別に決して対応しきれているとはいえません。
  私共の“ネット・ブッキング”は、劇場や各地区の映画ファンともネット上でのインタラクティブな交流（BBSやメール等）をはかることで映画を盛り上げ、メジャーができないキメ細かな宣伝展開を、上映劇場と連携しながら行なってゆくことを提案します。
  舞台挨拶、試写会等の各種イベントの告知や上映期間、タイム・テーブルの変更など、ご連絡いただければどの媒体よりもすみやかな対応ができます。

• 全国の映画館主の皆様、映画『NAGISA/なぎさ』を上映してみませんか？
  村上もとか氏の名作漫画を映画化したこの作品は、演出した小沼勝の言葉を借りれば、「疲れ気味の現代人に贈る一服の清涼剤」とも言える作品に仕上がりました。
  夢を見ることに疲れてしまった現在から、憧れのいっぱいつまった'60年代の湘南海岸へ―。『大人になりたくない症候群』が蔓延する世紀末の現代人が今こそ取り戻さねばならないのは、30数年前の12才の元気印少女・なぎさが抱いていた"夢見る力"かも知れません。あなたは今、'60年代の少女・なぎさが流した涙と同じ涙が流せますか…？
  このコンセプトを基に、一流デザイナーによる宣材類も各種用意しました。あなたの地域にマッチしたタイプのものを各上映劇場で選択できます。また、劇場サイドの様々なアイディアも、即座に反映できるのがこのネット・ブッキング・システムの特長です。