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ホテルの隣りに10数階建てで町を見下ろすホテル・モスクワ(Interhotel
Moskva)、その丘のすぐ下にベルケ・キノ劇場(グランド・シネマ)があった。
夜8時を過ぎたというのにまだ明るく、劇場の回りには大勢の人々がたむろしていた。
そのうちの1人のオッサンが我々に近づき金をねだった。少し酔っぱらっており、ベロニカが相手を傷つけないようにあしらった。この物乞いは、三泊した間、何度か見かけた。日本人のホームレスとは違い服装がわりかしこざっぱりしているので、他の人と見分けがつかない。後で聞いた話だと、共産党独裁が崩壊して、資本主義になって貧富の差が激しくなり、働く意欲を失った人が数多くおり、「昔は良かった」と不満をもらす人が多いと聞いた。 |